写真集 * Photo Walk

世界を旅して写真を撮る「Photo Walk」が好きです。
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日常の風景を撮影しています。
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インター校 vs 現地校 vs 日本人学校 シンガポールにおける学校選びの傾向と、ちょっとした罠

海外生活

「英語を話せるようになりたいのでインター校にしました!」

「日英バイリンガルを目指すのならやっぱりインター校に限りますよ〜」

「現地校は外国人の入学が難しいし、入ってからも親が大変そうだから、インター校がいいなぁ。」

シンガポールに滞在中の日本人家族の間で、今インター校の人気が急上昇しているのをご存知だろうか。

シンガポール赴任が決定した子持ち家庭にとって、子どもの学校選びは重大な人生イベントだ。

外務省「海外在留邦人数調査統計」29年度要約版によると、シンガポールの在留邦人(海外に3か月以上在留している日本国籍を有する者)数は37,504人(前年比+1.5%)とされる。

長期滞在者の同居家族として渡星しているのが17,283人にのぼり、うち学生にあたる20歳未満の滞在者数は男女それぞれ5,397人、5,347人の計1万人以上だ。現在大学・大学院への正規留学生は100人にも満たないため、この大多数は幼稚園から高校生という年代にあたる学生ということがわかる。

インター校 vs 現地校 vs 日本人学校 学校選びの傾向は?

つい先日同統計内で、全世界における日本人小・中学生の通う学校形態に関する調査を見つけたので、紹介したい。(※2016年4月のデータです)

プレスクール(幼稚園)と高校の統計が含まれていない、永住者が反映されていない、アジア(特にシンガポール)に特化した調査結果でない、などツッコミどころは多々あるので一概には言えないが、まずはそもそも長期滞在者数が結構な右肩上がりであることに注目してほしい。海外在住する世帯が猛烈な勢いで増えている。

また平成14年(2002年)の段階でほぼ横並びであった「日本人学校」「補習授業校」「現地・国際校」だが、10年という時を経て「現地・国際校」が約2倍の受け入れ数を叩き出している。

シンガポールの場合、この比率は国際校(インター校)>日本人学校>(補習校)>現地校となるだろう。

10年前であれば有無を言わさず日本人学校への入学希望者が大多数を占めていたにもかかわらず、今年度ついに、インター校に通う学生が全体の半数を超えたらしい。

それぞれの特徴を以下にまとめてきた。

(ビザ形態や学費については触れていないので必要な情報が網羅できていないかもしれないけれど、どうかお許しを。)

【インター校】

インター校は国際バカロレア(IB)など先駆的な教育が保障されており、非常に人気が高い。学費もめちゃくちゃ高いが、派遣元の企業によってはそれも負担してくれるので、正直お財布次第。プログラミングや最新の3Dプリンターなど、小学生のうちから体験学習が充実している。

↑シンガポールのとあるインター校のカフェ。Wi-fi完備でフルーツなどが安い。インター校は校内設備が充実しすぎていて、これ以下の生活ができなくなりそうなのが厄介だ…。

 

【現地校】

日本人入学希望者も増えてきているが、シンガポールの場合、現地校入学の門は極めて狭い。シンガポール国民、永住権(PR)保持者、外国人(EP保持者の子)という順番で入学優先順位が決まっており、特にローカルの入学希望者数が多い年は、外国人枠に余裕がないためだ。また高度なシンガポール算数能力が求められたり、今後の人生が決まると言っても過言ではない魂削りの小学校卒業試験 PSLE(Primary School Leaving Examination)があることから、実際にシンガポール駐在という身で現地校に通う家族は多くない。

【日本人学校】

現在、シンガポール日本人学校小学部クレメンティ校・チャンギ校、シンガポール日本人学校中学部、そして早稲田大学系属校である早稲田渋谷シンガポール校の4つがある。

小学部に関しては住む地域によって入学先キャンパスが異なるので要注意。

【補習授業校】

「補習授業校」は全日制の学校とは異なる。シンガポールにおいては、日本人学校小学部クレメンティ校で行われているシンガポール日本語補習授業校(英語: JSS, The Japanese Supplementary School, Singapore)などがこれにあたり、年40日というカリキュラムのもと、毎週土曜日に日本語や日本文化に関するクラスを提供している。一般的にはインター校に通う日本人やミックスの子が通っており、現在生徒数350人ほど。

とあるお母さんの遅すぎる後悔

さてシンガポールでも人気上昇中のインター校。インター校入れば日英バイリンガル間違いなし!どこでも生きていけるし人生問題なし!

果たしてそうだろうか。

先日シンガポール在住9年目になるママから、我が子をインター校へ入れてしまったという後悔話を聞いたので共有したい。結婚する前は金融企業の総合職でバリキャリ一直線をたどっていた彼女。専業主婦となった今は平日のテニスと休日のハイティーが日課になっている。自身が帰国子女であるため英語に対する抵抗がなく、子どもの「バイリンガル教育」にも目がない。

旦那さんのシンガポール転勤が決まった当時、一人息子は日本の公立小学校に通う6年生だった。折角の海外赴任であると同時に、得意科目の英語をきちんと使えるレベルにしたいという息子たっての希望で、インター校への入学を決めた。日本で小学校を卒業した3月からシンガポール赴任後の8月までの半年は、無料のESL(※)に通った。9月入学となったため、日本の学年を1つ落として中学校をスタートすることになった。

※English as a Second Languageの略で、英語を母語としない人向けの英語コースの一つ

それから5年。息子さんはシンガポールの中高一貫インター校で順調に好成績を収めていた。しかし高校2年生の終わりが見えてきたころに、急遽旦那さんの日本への本帰国が決定したことで歯車が狂いだす。日本以外の国で大学生活を送ることは視野に入れていなかったので、いざ日本の大学受験となった時、その問題に直面することとなった。

1つ学年を下げた9月開始のカリキュラムの状態だと、日本の大学受験時期に間に合わない。そのため学年をさらに1つ落として受験するか、または9月入学を実施している大学しか選択肢がないということに気が付いたのだ。

中学校入学時にすでに1つ学年を落としているのに、さらに1つ落とすのか?

インター校ではもちろん英語で勉強していたため、国語力・日本語での数学力で日本人生徒と対等に戦えず、帰国枠を狙うしかない。

けれど9月入学に帰国枠を設けている大学って限られているぞ…。

もっと事前に調べておくべきだった…。

結局息子さんがどういう道を選ばれるのかはわからないが、バイリンガル目指してせっかく順風満帆なシンガポール生活を送っていたのに、日本の大学受験でつまずいてしまっては心底もったいない。

焦らず気楽にいけばいいと思う

というわけでインター校にいくことが、必ずしもすべての子どもにとっての正解とは限らない。

もとより日本生まれ日本育ちの日本語単一スピーカーがシンガポールで数年インター校生活を送ったところで、果たして2つ以上の言語を母語のようにコントロールできるようになれるかと問われれば正直難しい。

だからってバイリンガルの夢を諦めて落胆してほしいのではなくて、むしろ「バイリンガルになるって結構大変なんだから、シンガポール滞在中に100%なんとかしようと焦らなくて大丈夫よね!」と前向きに捉えてほしい。

シンガポールにいること自体が、英語・中国語に対する露出(exposure)の機会が自動的に得られる恵まれた環境なのだから。まずはそれを楽しむべきだ。

一人ひとりにとっての教育の場は、百人百様。これぞという正解がないからこそ、悩むもの。

インター校 vs 現地校 vs 日本人学校。今後の動向に注目したい。

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本日も最後まで読んでくださってありがとうございました!