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完璧なバイリンガルよりも、不完全なマルチリンガルになろう

海外生活

新卒シンガポール現地採用に関する記事を書いてから、就活に悩む大学生の方から連絡をいただくことが増えた。

https://wella-world.com/2018/01/03/post-416/
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中でもよく聞かれるのが、この質問。

日英バイリンガルじゃないとシンガポール就職は難しいですか?

バイリンガルというと、「2言語をネイティブスピーカー並みに操るペラペ〜ラ言語達人」というイメージが先行するかもしれない。

こういった質問をくれる学生の意図するところも同じだろう。

実際は「第2言語を習得中の学習者」という意味を含んだり含まなかったり、非常に様々な見解がある。

私なりに回答するならば、日英ペラペ〜ラのバイリンガルでなくてもシンガポール就職は可能だ。

業界職種を問わなければ「シンガポール」「求人」「日本語」など検索するだけで、ビジネスレベル以上の英語を必要としないポジションは今すぐにでも見つかるだろう。英語力は高くなくとも、その代わりに揺るぎない専門性を持っていれば有利に働くので、英語ペラペ〜ラか否かは必須条件ではない。

というわけでまずは、どのレベルで英語を使いたいのか(どんなバイリンガルになりたいのか)イメージしておくと良いと思う。

英語を主要生活言語としていきたいのか。

英語で専門分野の研究論文を発表したいのか。

海外の非日系企業で様々な国の同僚と切磋琢磨したいのか。

それとも外国人の友達を作れる程度が好ましいのか。

それによって学習プランも何もかも変わってくるからだ。

どんなに頑張ったって完璧なバイリンガルにはなれない?

ところで言語学にも中間言語(inter-language)という言葉があり、ある特定の言語を学んでゆく過程で学習者が持つ特徴的な言語を指す。

仮に母語が一定のレベルで表せられるとしよう。あくまでも学習言語である英語は、0の状態から始まって母語レベルに到達するまで、一生その”中間”をさまよう

私のなよなよ英語も、他の英語学習者の英語も、すべて中間言語といえる。文法的間違いが皆無に感じる英語でも、その言語の文化背景やコンテキストを理解していなければ、それもまた中間言語に当てはまるだろう。

というわけで、日本生まれ日本育ちの日本人がどんなに頑張ったって、「完璧なバイリンガル」になれる可能性は無に等しいのだ。ならば、ペラペ〜ラのバイリンガルになるのは、もう諦めてしまおう!

その代わり、100%習得するのは不可能だという前提で、改めて英語をどのレベルで使いたいのか、どのレベルで維持したいのか、考えてみる。

考えようによっては、今以上に英語力を伸ばす必要がないかもしれないからだ。「バイリンガルになりたい!」と漠然とした希望を描いていても、目的によっては既に十分な英語力を備えている可能性だってあるのだから。

完璧なバイリンガルよりも、不完全なマルチリンガル

シンガポールは様々な文化が交差している国だ。実際に住んでいる印象としては、実は完璧なバイリンガルよりも、不完全なマルチリンガルであった方が便利である。

中国語(福建語、潮州語、広東語など)、マレー語、タミル語など、シンガポールの生活に根ざした言語を少しでもかじっておけば、現地のコミュニティにぐっと溶け込みやすくなるからだ。

特に「Singlish(シングリッシュ)」と呼ばれる中国語やマレー語の入り混じった独特の英語が使われているシンガポールでは、日本語・英語・中国語のマルチリンガルであれば圧倒的優位に立てること間違いなし。

日本語は生活言語の確固たる基盤として。英語は仕事用の言語として。中国語は赤ちゃんレベルでも良いから友達作りのために。マレー語は少しだけジョークを知っている。こんな感じでも良い。

中国語だって仕事で特に求められなければ、屋台のメニューを頼んでお掃除のおばちゃんと会話できるくらいでも立派なマルチリンガルと言える。そういった一種の「歩み寄り」が、現地の人々の心も温かく溶かしていくだろう。

 

シンガポールで「バイリンガル」を目指そうとしている方へ。

シンガポールで完璧な日英バイリンガルを目指すよりも、その同じ時間と労力で不完全なマルチリンガルを目指す方が案外面白いかもしれない。

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本日も最後まで読んでくださってありがとうございました!