写真集 * Photo Walk

世界を旅して写真を撮る「Photo Walk」が好きです。
iPhone 6S Plus、NIKON D5300で、
日常の風景を撮影しています。
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「神の手の造形美」ロムニツキー山の絶景

旅行記

日本生まれ日本育ちでありながら、未だに富士山登頂を果たしたことがない私。

そんな私にも登山で涙した経験がある。

それはヨーロッパ、ポーランドとスロバキアの国境上での出来事。

3年前の夏と秋を、私はドイツのボンで過ごした。今考えればこそ小さなことでも、当時は色々悩みがいっぱいいっぱいで、あぁどこか遠くへ消えてしまいたい!と切望していた矢先。ドイツの右下に位置するチェコに留学中の日本人の親友とチャットとしていたら、どこか旅に出たいという話になった。

チャンス!私は秒速で彼女を誘い、女子2人ヨーロッパ旅に出ることにした。チェコに2年間も滞在しながらなんと周辺国を一つも回っていなかった彼女が「どこでもいいよ」と譲ってくれたものだから、お言葉に甘えて独断で決めた行き先がスロバキア

スロバキア北東部に位置する中央最大級の美しい要塞スピシュ城をどうしても訪れたかったので、ついでに寄ることにした山。

それが今回ご紹介したい「神の手の造形美」ことロムニツキー山だ。

ポーランドとスロバキアの国境線付近には、大自然を抱擁するタトラ山脈が広がっている。ロムニツキー山は、その中でも3番目に高い頂上(2,534m)である。

山肌は垂直に近い傾斜だ。そのため頂上付近数百メートルから上へは、ロープウェイでしか到達できない。稀に山の麓から徒歩で頂上を目指すぶっとんだ人材もいるらしいが、一般人の私にとっては自殺行為に等しい。ヤギじゃあるまいし。

というわけで、標高2,500m手前で、文字どおり「箱」のようなロープウェイに乗り込んだ。ずんぐりむっくりしたドイツ人が3人も乗ったら一発で床が陥没しそうなボロ箱だ。上昇するにつれ、隙間から入ってくる外気が急激に下がっていくのを感じた。あれだけ若緑色に彩られていた山々も、雑草一つ生えていない石灰色の岩肌に変わる。しばらくして、その表面に雪の白粉が塗られていき、最終的には真っ白な霧で覆われた。

約10分後。ガコンという衝撃とともにカゴが停止した。

まぁ言うて、2,534mだ。失礼にも「富士山より低いよねーw」なんて言い合いながら、私たちはいざ頂上に降り立った。

「天からの贈り物」2534mの絶景

うっ!!!!?????

頂上に立ったその瞬間。

ものすごい光に包まれて、目が見えなくなった。

というか、光が強すぎて目が開けられない。

明度最大値の無彩色の正体が「雲」だとわかったのは、しばらく経ってから。

明るさに慣れてきた目に飛び込んできたのは….。

この景色!!!!!!!!

雲と雲の間に、立ってる!!!!!

空から羽根のついた天使がお迎えにあがっても、あの時だったら驚きもせず手を合わせていたかもしれない。完璧なまでに上下に2分された雲の層。

圧巻の一言。幽玄ささえ漂う威風堂々とした佇まいは、まさに「神の手の造形美」だ。

足元からは、ドライアイスのように次から次へと湧き出てやまない大量の雲。あまりにも重厚で、かつて雲に乗って空を飛べると夢見た人たちの気持ちが今ならよくわかる。

一緒に行った友人なんかはオイオイ泣き叫んで膝から崩れ落ち、登頂わずか5秒足らずで使い物にならなくなる始末。涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔をこちらに向けて一生懸命何か叫んでいるけど、強風のため全く聞こえない。

冷静になって見渡すと、周囲の光景もまさに楽園だった。

湖がこんなにも透き通ったガラス色に仕上がるなんて。

もし、生まれ変わって鳥になったら、自分の翼を翻しながらこんな快感を味わえるのだろうか。雲の筋は私たちに向かって、早送りしたフィルムのごとく流れ続ける。

あまりの感動で泣きはらしたあとは、下の世界で脳裏に溜まっていたよしあしごとも、どれもちっぽけなものに思えた。

遠く離れた日本にいる家族や友人すらも、本当に存在するものなのか定かでない、おとぎ話の登場人物のようにさえ感じてしまう。

いつしか強風が止み、肌が痛いほどの極寒気温だということを自覚した時には、頂上に着いてからすでに30分が経過していた。

登りに反し、下りは全て歩きだった。

標高1,500mまで降りると草木が戻ってくる。

そして、無事生還。

先日この場所を仲良しのシンガポール人にも勧めたところ「山はシンガポールにもあるさ〜」という返事を食らった。シンガポール人が「山」と呼ぶものは、我々日本人にとっては残念ながら「丘」、なんなら都内某大学名物のバカ山・アホ山くらいの高さに過ぎない。(※イメージ)

何かバッと忘れ去りたいことがある。壮大な自然に身を任せたい。

そんな方は、是非訪れてほしい。

ちなみにヤギのチーズをふんだんに使ったニョッキが美味でした♪

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本日も最後まで読んでくださってありがとうございました!

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