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シンガポールが「つまらない」と思われてしまう理由

海外生活

シンガポール政府が自国を「つまらない国」と皮肉ったYoutube動画が話題になっている。

STB's light-hearted response to an online survey calling Singapore "boring"

確かにシンガポールは、トランジット時間を潰すのに最適な国ではある。国土が狭いからとうよりも、シンガポール独自のエンターテイメントが多くないから。1週間以上滞在してじっくり見て回るような観光地としてはあまりオススメできない。

しかし観光客だけでなく、ついに国民までもが「つまらない」と形容してしまうようになったシンガポール。なぜそこまで「つまらない」という印象を与えてしまうのだろうか。

借り物の資本を回すことには長けている

人々が集う場所に国家が建てられたのではなく、極端に言えば国家という箱に後付けする形で国民を詰め込んだシンガポール。

今は亡き「国民的リーダー」リー・クァンユー元首相も言っていたが、例えばシンガポール国旗も複数の要素をごちゃまぜにして生まれたものだ。三日月はイスラム教からの要望に応じて取り入れ、5つの星は共産主義者に配慮し中華人民共和国の国旗に習ったという。赤白という配色は、インドネシア国旗になぞらえたもの。マレー系の人々、中華系の人々、インドネシア系の人々それぞれが好感を持てるようなデザインになっているのだ。安心してください、皆さん全てを国民として受け入れますから、という意思の表れ。

https://mothership.sg/2017/08/here-are-the-7-different-flags-singapore-had-in-our-198-years-since-we-were-founded/

シンガポールの始まりは、決して独立戦争によって得たものではなく、マレーシアからの「追放」だった。強制独立後の傀儡国家化を防ぎ、周囲の国とうまく太刀打ちできるようにするには、うまく外資の力を借りる以外他ならなかったのだろう。

というわけで建国以来、シンガポールは「人・物・金」の外資誘致を徹底してきた。今、シンガポールで浸透している食べ物、道路の名前、現法企業などは元を辿れば全て外からの「借り物」と言っても過言ではない。

そのため全て「どこか他の場所にもある」ものになってしまうから。

リトルインディアだって、本場のインドがある。チャイナタウンやアラブストリート然り。ユニーバーサルスタジオだって、日本にもあるし。ナイトサファリ?いやいや途中完全に奈良の鹿公園みたいなの現れるやないかいw

人々の流れも同じだ。昨年9月のChannel NewsAsiaによれば、シンガポールの外国人比率はおおよそ3分の1にのぼる。外国人の割合が高すぎて、この国はもはやシンガポールらしさを失っている。

皆んな優秀だけれど独自性がない?

そういえば先日シンガポールのとあるインター校の授業見学に行く機会があった。幼稚園から高校まで伏せ持つ超大型有名校。小学校低学年の授業を覗かせてもらったのだが、最先端のICT教育を全生徒に提供しているらしく、なんと美術の時間も3Dプリンターを使って作品作りをしていた。科学の時間も、もちろんロボティクス。チーム毎に動物ロボットのコードを書いて発表するらしい。自分とは比べものにならないくらい整った教育環境と優秀な生徒たちだ。

この子どもたちの中で一体何人が、大学を卒業するまでシンガポールに残っているだろう。その中でシンガポール独自のビジネスというものを引っ張っていく人(あるいは生み出す人)はどのくらいいるのだろうか。

シンガポールの学生と知り合っていつも感じることは、彼らは10を100にすることには長けていても、0から1を作れる人は少ない。何でも外から与えられる環境に慣れすぎてしまっているという印象を受ける。優秀な教師人と最高な教育環境のもと、ハイパフォーマンスを出すことには抵抗がなくても、与えられた環境が何かを欠いていた時、自分たちでどうにかする術はあまり知っていないように思う。皆んな足並み揃えて優秀だけれど、独自の道を歩む人は限られている。これについてはまたいつか詳しく書こう。

「つまらない」と残念がられるシンガポールの未来を、是非変えていってほしいな。

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本日も最後まで読んでくださってありがとうございました!