写真集 * Photo Walk

世界を旅して写真を撮る「Photo Walk」が好きです。
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日常の風景を撮影しています。
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新入社員のキャリア意識調査「定時で帰りたい」が最多

海外生活

日本が「アジアの中で最も働きたくない国」ランキングで世界に名を知られてから日は浅い。

IMD WORLD TALENT RANKING 2017により、外国人高度技能者が労働環境として魅力を感じる国のうち、日本にアジア11ヶ国中で最下位、また世界63ヶ国のうちでも51位という低評価が下されたというニュースだ。

日本が「アジアで1番働きたくない国」にランクイン
(2018年1月15日更新) ついにきた。 発表を目にした時はそう思った。 「日本が「...

少し前、シンガポールの名門インター校で第2/ 第3言語として日本語を履修している中学生集団と話す機会があり、興味本位で尋ねてみた。

 私:「日本語、好き?」

学生:(゜ー゜)(。_。)うんうん!

私:「日本行ってみたいと思う?」

学生:(゜ー゜)(。_。)うんうん!

私:「働くのは?」

学生:(・_・ 三・_・)ううん

す、素直すぎる。

日本の労働環境が、まだ日本を訪れたことがないというシンガポール人中学生(しかも日本語履修者)にさえここまで嫌煙させるのはなぜだろう。

なぜ抵抗があるのかと彼らに問うと「忙しそうだから」と年相応の答えが帰ってきた。

しかしどうやらこの意見は日本の新卒社会人の主張と一致するかもしれない。

新卒で入社する会社での継続勤務意向の低下

トーマツイノベーションによる2018年度新入社員のキャリアに対する意識調査」がこれを露呈している。同調査は 今月上旬に東京・横浜・名古屋・大阪で開催され、新入社員研修の受講者およそ4,863人を対象に行われた。

「今の会社で働き続けたいですか?」という問いに対し、「できれば今の会社で働き続けたい」という意向は53.8%と3年連続で減少。一方で「わからない」という回答は過去最高の16.0%に及んだ(図1)。

つまり新卒入社した会社で中・長期的に働く計画を”立てられている可能性のある者”は、この時点で約半数に過ぎないのだ。

最近は企業側もそれを承知で、内定から正式入社までの辞退数を考慮して、定員超過の学生らに内定をばら撒いていたりする。

文部科学省が首都圏の一部私立大学に対して、入学者の定員超過に対する補助金削減など罰則政策をとっているけれど、いっそ大手民間企業に対しても同じような政策が取られればいいのに。

まぁとにかく、新卒で入社する会社で定年まで勤め上げるような長期勤務計画を持った学生は今後減り続けていくだろう。

「定時で帰りたい」日本の新入社員

また今後3年間の会社での労働時間については、「定時に帰りたい」とする主張が42.0%と増加している。2017年まで首位を占めていた「週に2〜3回の残業まで」と入れ替わり、ついにトップに躍り出た(図2)。

この調査結果はどう捉えられるだろうか。

「働き方の一つも知らない新卒社員のくせに、甘やかされて育ったとしか思えない」と否定的に捉える意見も少なくないだろう。

知識が浅くビジネスの役に立つわけのない新卒ぺーぺーが「定時上がり」を主張するのは、見る人からみれば自己中心的で高慢な態度に違いない。

しかし善し悪しは別として、この「定時に帰りたい」という新入社員の訴えには、実に多様な観点から時代の趨勢が見て取れると思う。

1つ目は、自由時間と引き換えに企業から得られるスキル・給料が、もはや彼らの魅力になり得ていないという可能性。今はネットさえ繋がっていれば容易にビジネスができてしまう時代。給料以上の収入を副業で得ている新卒も稀ではない。就職先で必要な技術的なことはオンライン学習の方が効率的かもしれないし、リモート会議も浸透している今は「出社・退社」さえ煙たがる若者も多い。

2つ目は、日本社会が年功序列・男尊女卑(女尊男卑)に対し敏感に(というより過剰に)反応するようになったこと。今やLINEのクマとウサギがハグをしているスタンプすらセクシャル・ハラスメントの起訴対象になるような恐ろしい時代だ。行く先々で人々の社会的属性を判断して”お利口さん”に振る舞うのは、なかなか神経が疲れる。

3つ目は、社交辞令に基づく”無意味な”仕事が求められなくなってきたという変化。ひたすら酒を酌み交わすことが営業!という体育会系全開の働き方なども、簡単にブラック認定されるため昔のように強制できないのだろう。

4つ目は、会社の名刺に囚われない生き方の流行。「ワーク・ライフ・バランス」「スラッシュ・キャリア」「ワークライフ・マネジメント」など、益々個人の幸せに注目が集まっている。今までは「浮いている」と距離を置かれていた色んな個性が、各々抱えているものはごっちゃ混ぜだけれど、全体像としてマジョリティーになりつつある。

そんな時代背景が合わさって、「定時に帰りたい」と主張する新卒社員が増加しているように思う。少しずつ数を増しつつあった意見が、ついに大多数の強力な自己主張となって頭角を現したのだろう。

ちなみに勤務時間の縮小を主張しているからといって、勤務離れは未だ浸透しそうにない。

例えば先ほどの調査では、子どもが生まれた時の働き方に関して「それまでよりも残業や休日出勤を減らしたい」(41.0%)、「そのまま働きたい」(40.7%)の2つが大多数を占めた。やはり退社意向よりもワークライフバランスの主張がなされる結果である。

反対に、今勤めている企業でこれらが成し遂げられないとわかったら、今の新入社員は簡単に企業を見捨て次をさがし出すだろう。

新入社員が求めているのは、入社直後の決死のスタートダッシュでもなければ、期間限定の咲き誇りでもない。もっと、蔦のように命長い勤務スタイルが望まれているのかもしれない。

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本日も最後まで読んでくださってありがとうございました!