シンガポール人のイライラにイラっとしてしまう

先週末、人生で初めてIELTSという英語能力判断テストを受けてきた。

会場はシンガポール市内のホテル。結婚式の披露宴が余裕で行えそうなだだっ広いボールルームに、祝日にもかかわらず数百人もの受験者が集う。

ID確認、顔写真の撮影、指紋登録のあと、カウンターに荷物を預けてから会場入りするようにと告げられた。指示通りにバックを預け、引き換え番号を手に入れる。

試験開始まであと30分。会場を見回すとおそらく受験者の10分の1も揃ってもいない。自分の受験番号が記された席で大人しく待機することにした。

しかし、ものの数分後。悪寒がする。冷房が寒すぎるのだ。一体何度の設定にしてるんだ。

IELTS会場へは「透明のペットボトルに入った透明の水」と「防寒着」の持ち込みが許可されている。そうだ、上着を取りに行こう。

ついさっき荷物を預けたばかりのカウンターまで身を翻し、番号札を見せながら受付のアンティー(おばちゃん)に話しかけた。

Hi, can I have my bag for a moment? I’m sorry.

すみません、ちょっとバックを取ってくれませんか?

すると黒髪と白髪の入り混じったショートヘアのアンティーは、犯罪者でも見るような目つきで声を荒げて言った。

ああん??YOU NEED BAG FOR WHAT???

バックがなんで必要だって?!

かつて世間を騒がせた「引っ越しおばさん」が瞬時に頭の中でフラッシュバックする。まさか本人じゃないだろうか…。私の後ろに列をなしていた受験者が一つ横の列にずれたのが影でわかった。

部屋の中が寒かったから、上着を取りたいんです。

チッというあからさまな舌打ち。引越しおばさんもどきは番号札を乱暴に受け取り、何やらブツブツ文句を言い始めた。「部屋の中の寒さくらいちょっとは我慢しな」「一度預けたんだから戻ってくるんじゃないよ」など小声で繰り返している。

100もある鞄の中から「0881」のバックを探し出す手間を掛けてしまったのは事実だけど、そこまで機嫌を損ねるようなことだろうか…。

シンガポールに住んでいると、悪気もなく不快感を与えてしまうことがよくある。

そして相手のイライラに、自分も重ねてイライラしまうのだ。

タクシードライバーの愚痴よ永遠に

先日も相手のイライラにイライラしてしまう出来事があった。

シンガポールにおける主な公共移動手段はMRT(電車・地下鉄)やバスだ。ただし緊急を要する時はGrabというアプリでタクシーを呼んでしまう。

ケータイ画面に表示された番号と同じカーナンバーのトヨタが近づいてくる。中年の中華系シンガポール人男性が運転手だった。

何事もなく、タクシーはシンガポールの高速道路の一つPIEを進み出す。後部座席からぼんやりと外の景色を眺めていた。

すると突然、一台の車が何の合図もなしに右車線から割り込んできた。

ププーーーーーー!!

ドライバーがクラクションを鳴らす。

割り込み車は反省する様子も見せず爆速で車間距離を広げていった。

とはいえシンガポールの運転は荒いので、割り込みは日常茶飯事。カーブ内でも余裕でブレーキやアクセルをかますし、右折左折や追い越し時にウィンカーを出さないのも常套手段だ。

むしろ驚いたのはタクシードライバーの反応だった。

YOU ●●●●!IDIOT!ちーばいゆ!

割り込み車をめちゃくちゃに罵倒し始めたのだ。シンガポールの若者の間で使われている「ちーばいゆ」は調べるのも自重したくなるほど低俗なswear wordだ。

両手を肩の高さで広げて「意味わかりませーん」ポーズまでしている。いや仮にも高速走ってるんだからハンドルは握っててくれ!

追い越されたショックでか、後部座席に座っている私のことは忘れ去ってしまったようだ。根本に「お客様=神様」の方程式がないがためにこうも仕事に私情を持込めるんだろう。

先日シンガポール人の友達とドローンを飛ばしてきた。 シンガポール国内でも有数のドローン飛行許可エリア、Marina...

元はといえば被害者であるはずのドライバーだけれど、あまりにも文句を言い続けるので聞いているこちらがイライラしてきてしまった。

シンガポール人って文句を言わなきゃ気が済まない人が多いのは気のせいだろうか。

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本日も最後まで読んでくださってありがとうございました!