写真で見る世界の町 - Photo Walk -

シンガポールなんて好きになるまいと思ってたのに

海外生活

シンガポールの第一印象は「掴み所のない退屈な国」だった。

国土は狭いし、四季だってないし、人間関係にも満足できない。英語圏だと思ってたら、本当の意味で文化を理解するのに重要なのは中国語だったし。慣れないシングリッシュはなんだか怒ってるように聞こえるし。自分で就職したは良いものの、渡星後2,3ヶ月は文字通りシンガポール「イヤイヤ期」真っ盛りだった。2年滞在が限界かな。そんなことまでボヤきながら。

それからあっという間に過ぎた、2年と半年。

あと40日足らずでシンガポールを去ることが決まり、別の意味での「イヤイヤ期」がやって来ている。去るのが嫌だの「イヤイヤ」ね。

海外生活は得意不得意ではなくて、相性が合うか合わないかの問題だけれど、シンガポールは自分にとって確実に相性が良いと思う。「外国人労働者」としても「女性」としても「大学新卒現地採用」としても生きやすい国でることには間違いない。

その国に馴染むということ

最初は2年が限界!と決めつけていたシンガポールだけど、いよいよ滞在のお尻が見えてきて、後ろ髪を引かれる思いでいる。きっと、知らぬ間にシンガポールに馴染んでしまったんだと思う。

まず、土地勘がついたこと。ニンニクの効いた美味しい「麻辣香锅」がチャイナタウンのどの店か。今いる地点から最短距離に位置する、深夜でも営業している静かなWifiカフェはどこか。散歩中にビーチサンダルの鼻緒が切れるハプニングが起きたとき、どこへ駈け込めば安い代替品が買えるか。自分の欲求を満たすための移動手段や方向が、瞬時に浮かぶようになった時、シンガポールを前よりも理解できていることに気がつく。

次に、誰にも教えたくない場所があるということ。夕暮れに一人のんびりするビーチ。緩いR&Bが流れる客足の少ない老舗カフェ。Google Mapにさえ認知されていない裏路地。自分で「発掘」したものには愛着が湧くものだ。

そして、離れたくない人々がいること。社交的とは言えない性格の私でも、2年半もシンガポールにいた結果たくさんの良い友達に恵まれた。中でも、あと1ヶ月早々でシンガポールを離れることになった事実を伝えるのに、どうしても躊躇する友人たちがいる。「寂しい」という感情が芽生えるのは、それだけ大切にしてくれた証拠だ。

その他にも、シングリッシュがもう怒っているように聞こえなくなったり、3日に1度は「麻辣香锅」が恋しくなったり、当初は好きになれないと思っていたシンガポールからこんなにも離れ難くなってしまった。こんなはずじゃなかったのに。

始まったばかりの海外生活

働くという目的で海外で暮らし始めてから、まだ2年半。学生時代の海外経験を足したって、4年にも満たない。今の自分に語れる歴史など、薄っぺらものだ。

人の出入りが頻繁なシンガポールには、海外生活の豊富な人が多く集まる。特に東南アジアでの学歴・職歴を持つ友人が多い。「6年前の香港は〜」とか「10年前にインドに行った時は〜」とか過去の経験を語れる友人・知人は素直に尊敬するし、時に羨ましい。自分の10年前ってドッヂボールくらいしか頭になかったのにな…。笑

まだ始まったばかりだけど、海外生活はやっぱり楽しい。自分の責任は自分で取らなければならない覚悟は必要だけれど、それ以上に長年固執してきた「常識」が次から次へとぶっ壊される解放感がクセになる。

日本への一時帰国が「日本に行く」「シンガポールに帰る」という心持ちに変わっていったように、世界中に第3のホーム、第4のホームを増やしていきたい。

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本日も最後まで読んでくださってありがとうございました!